日直当番【完結】
「失礼しまーす」

 きっちり3分はみがきしたあと、私は印刷室へ足を運んだ。進藤くんと帳合なんて気が進まなかったけど、サボったら何か言われそうなので仕方なく来た。

「お、来たか神崎さん。時間ないから早くやって」

 印刷室では担任の池上先生と進藤くんが既に帳合作業を始めていた。とりあえず進藤くんとふたりきりじゃなくてよかった。

「プリント4種類あるから左端から1枚ずつとって端っこをホッチキスで留めて。できたらここに重ねといてね」

「はーい」

 重ねてあるプリントの束の数を見た限り、まだ始まって間もないらしい。

『ブツッ』

 今から作業をし始めようとしたとき、スピーカーからマイクの音が入る音がした。

『ピンポンパンポーン♪
 池上先生、お電話が入っています。至急職員室に来てください。
 ピンポンパンポーン♪』

「はいはーい。じゃ、2人ともやっててね」

 校内放送のバカヤロー…。

 ガラガラ ピシャン…。

「はぁ…」

 プリントをそろえながらため息をついた。先生がいなくなって急に空気が重たくなったような気がした。
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