日直当番【完結】
進藤 without 眼鏡
次の日の朝、眉間にしわを寄せた仏頂面の進藤くんが登校してきた。
「おはよう」
「ああ、おはようございます」
進藤くんは今私の存在に気づいたかのように挨拶を返した。
「進藤くんってどのくらい目が悪いの?」
「ここからでも神崎さんの顔がぼやけて見えます」
「それじゃあ、黒板なんて全然見えないね」
進藤くんは眉をひそめて私に近づいてきた。
「え、な、何」
その距離およそ30センチ。あまりの近さに目が泳ぐ。それなのに進藤くんは私を見つめたまま離さない。
「以前より視力が落ちてしまったようです。度を上げてもらわなくては…」
進藤くんは私から目を離して何事もなかったかのようにバッグの中身を出し始めた。いや、実際何事もなかったんだけど、あんなに至近距離で見つめられたら誰だって戸惑うよね?
1時間目の日本史が始まり、案の定隣の進藤くんは黒板を眉根にしわを寄せて黒板を凝視していた。それから深いため息をついて両目に手を当てた。荒川先生の字は汚いから更に見にくいんだろう。
「机くっつけよっか」
「そうしてくれると助かります」
「おはよう」
「ああ、おはようございます」
進藤くんは今私の存在に気づいたかのように挨拶を返した。
「進藤くんってどのくらい目が悪いの?」
「ここからでも神崎さんの顔がぼやけて見えます」
「それじゃあ、黒板なんて全然見えないね」
進藤くんは眉をひそめて私に近づいてきた。
「え、な、何」
その距離およそ30センチ。あまりの近さに目が泳ぐ。それなのに進藤くんは私を見つめたまま離さない。
「以前より視力が落ちてしまったようです。度を上げてもらわなくては…」
進藤くんは私から目を離して何事もなかったかのようにバッグの中身を出し始めた。いや、実際何事もなかったんだけど、あんなに至近距離で見つめられたら誰だって戸惑うよね?
1時間目の日本史が始まり、案の定隣の進藤くんは黒板を眉根にしわを寄せて黒板を凝視していた。それから深いため息をついて両目に手を当てた。荒川先生の字は汚いから更に見にくいんだろう。
「机くっつけよっか」
「そうしてくれると助かります」