奪われたので、奪い返すことにしました【年齢制限版】


「そう、ご名答――私は、セレーネ家次期当主――シリウス・セレーネ――正真正銘、女性じゃなくて男性だよ――」

 わたしは声にならない声をあげた。

(シリウスが男性だったなんて――!)

「そ、そんな……そんな……」

 シリウスと対峙しているデネブは、混乱しているようだった。
 そんなデネブに、シリウスは問いかける。


「ねえ、デネブ侯――今日は私の婚約者の発表だったよね――? さて、その婚約者は誰だと思う?」


(そう言えば、そういう話だった気がする――)


「ま、まさか――」

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