奪われたので、奪い返すことにしました【年齢制限版】
夜闇の中、裏庭の東屋に連れてこられたわたしは、突然デネブに抱きしめられる。
なぜだか、シリウスに抱きしめられた時のことを思い出してしまった。
「スピカ、俺が悪かったんだ。俺のために綺麗になってくれたんだろう? あの派手な身持ちの悪い女とは別れるよ。だからよりを戻そう」
よりを戻すも何も、婚約していただけで、デネブとは男女の関係なんかではなかった。
そんな彼に抱きしめられて、昔の自分なら嬉しかったのかもしれないが、なぜだか嫌悪感が沸く。
「デネブ、そんなつもりは、わたしにはないわ……離してちょうだい……!」
だが、彼は制止も聞かず、わたしに口づけようとしてくる。
(いやっ……誰か――! シリウス――!)
その時――。