奪われたので、奪い返すことにしました【年齢制限版】


「女性を表面的な美しさからしか見られない男性は、私は嫌いだな」


 大好きな友人の声。

 デネブの身体から引き離されて――。


「大丈夫? 私の大事なスピカ」


 ――気づけば、わたしはシリウスの腕の中にいた。

 デネブが声を荒げる。

「スピカと一緒にいたセレーネ家のご令嬢、僕はスピカの婚約者だ。邪魔をしないでもらおうか?」

 そんな彼に対して、シリウスは悠然と微笑む。

「元、でしょう? ねえ、私の大切なスピカ――」

 すると、突然、わたしの唇に柔らかいものが触れる。

「んぅっ……あっ…ふあっ……」

 何が起こっているのか理解するのに時間がかかった。

(わたし、シリウスにキスされてる……)

 まさか初めての口づけが、女性相手になるとは思いもしない。
 
 彼女の舌が、わたしの口の中をぬるりと動いた。
 初めて感じるぞくぞくとした感覚に、自分のものとは思えないあられもない声が上がる。

「っあ……んっ……ふ……」
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