ユダの巣窟

ムッとした。おどけた口調、あの甘ったるい表情のせいではない。

「馬車の鍵はどれだったか？生憎、僕にはキミのような美顔も記憶力もなければ、話す暇もない。」

と嫌味を付け加えてお返しした。

エースはキョトンとした。何も言い返さず、あくせく働くような機械が急に言葉を話したらそりゃそうなるか。

だがそうは思っていなかったらしい。ぷッと吹き出し、ギャハハハハと指さしながら大声で笑いだしたのだ。

「アヒャッ、アヒャッッ！おおお前っ！ヘヘッ、そんな、誰もが憧れるようなッ、クククッ！美少年がっ！はぁぁぁぁ、ククッ！こんな俺ごときに！ｽｰ!嫌味零じでんじゃね"ーよっ！アキャギャキャ！！」

しまいにはその場で転げ回り、なんだなんだと同業の奴らが野次になっていた。