ユダの巣窟
「そうか。俺も半分は賛成だな。お告げを頂いた、とか、神がこう思し召しであるぞ、なぁんて証拠もないのにそうほざいてる奴らが悲しく見えてくるね。ただ…」

言葉をくぐ漏らせてまた不信な笑みを見せ、

「『カルマの法則』っちゅう言葉がある通り、何かしら神は仕組んでるんじゃないかな。」

「他人にした事が自分にも帰ってくるってね。最も神が1番人を殺してはいるがな。」

そう言い、やれ愉快愉快と自分のテントへ戻って行ったが途中で歩みを止め、こちらに振り返って

「お前、最近変だ。物思いにふけることが多い。お前に限ってまさか無いと思うが、禁忌を犯すなよ。」

普段のおちゃらけた声から急にドスの効いた声で話され、内心とても怖かった。

彼があんな風に行ってくる事、滅多にないのに。
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