稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~
「相手の家柄だって考える必要はない。男爵だろうが平民だろうが、身分の差など気にするな。そんなもの、私が何とかしてやる。身分違いの恋で親に反対されていたけれどそれを押し切って愛を貫いただとか、美談を流してやる。そうすれば、無粋な詮索を色々されずにも済むだろう。男であれば誰だって構わぬ。舞踏会に出ている独身貴族じゃなくたってかまわぬぞ?給仕をしている男だろうと護衛をしている兵だろうと、アレルギーが出ない相手がいれば、連れて来い!」
むちゃな……。
誰でもいいって言っても、舞踏会には大量の男がいるんですよね。明日寝込む未来しか見えない。
■
「じゃなければ……」
お父様がスクっと立ち上がって、窓際に立ち、窓の外を見た。
「寝たきりで死を待つばかりの伯爵家に嫁がせる」
「そんな方がいらっしゃるのですか?」
私の質問に、お父様は答えなかった。
ま、まさか、そんな都合のいい伯爵を作るつもりじゃ……。
ダメ、流石に、毒を盛ったり事故に合わせたりして寝たきりにさせるわけではないと思うけれど……。何か条件を出して、私に一切触れないようにさせることくらいはするだろう。もし手を出したら幽閉するくらいは言いそうだ。
権力を使った脅し……お父様が一番嫌っている手段だ。
お父様にそんなことをさせるわけにはいかない……。修道院に行くのは、最後の最後の最後の手段……いえ、なんならお父様が亡くなった後だって遅くはないのだから。
「分かりました。明日の舞踏会……人生2度目の舞踏会……頑張ってきます」
人生2度目の舞踏会は、兄のエスコートで会場に入った。
……うわ。ドレス姿の女性は皆華やか。
オレンジ色が今年の流行なのかしら?全く舞踏会には足を運ばないので、分からない。ただ、やたらとオレンジ色のドレスを身に着けた方が多いなぁと。
むちゃな……。
誰でもいいって言っても、舞踏会には大量の男がいるんですよね。明日寝込む未来しか見えない。
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「じゃなければ……」
お父様がスクっと立ち上がって、窓際に立ち、窓の外を見た。
「寝たきりで死を待つばかりの伯爵家に嫁がせる」
「そんな方がいらっしゃるのですか?」
私の質問に、お父様は答えなかった。
ま、まさか、そんな都合のいい伯爵を作るつもりじゃ……。
ダメ、流石に、毒を盛ったり事故に合わせたりして寝たきりにさせるわけではないと思うけれど……。何か条件を出して、私に一切触れないようにさせることくらいはするだろう。もし手を出したら幽閉するくらいは言いそうだ。
権力を使った脅し……お父様が一番嫌っている手段だ。
お父様にそんなことをさせるわけにはいかない……。修道院に行くのは、最後の最後の最後の手段……いえ、なんならお父様が亡くなった後だって遅くはないのだから。
「分かりました。明日の舞踏会……人生2度目の舞踏会……頑張ってきます」
人生2度目の舞踏会は、兄のエスコートで会場に入った。
……うわ。ドレス姿の女性は皆華やか。
オレンジ色が今年の流行なのかしら?全く舞踏会には足を運ばないので、分からない。ただ、やたらとオレンジ色のドレスを身に着けた方が多いなぁと。