夢でもいいから あなたに会いたい
パタパタとかわいく走ってくる夏希にちょっとイライラする。
かわいいのはいいんだけど、俺の前だけにしてほしい。
ほれみろ、男子たちの視線が夏希に吸い寄せられてる。
「おせーよ」
思わず、低い声がでてしまう。あぁ、やべって思った時には夏希は下を向いてた。
やっちゃった。
夏希への視線もあったけど、
「来ないかと思ったじゃん……」
そう、それが冷たくなってしまった一番の理由。
夏希なら来てくれるって信じてたのに、どうしようもない不安に駆られて怒ってしまった。
ほんとに、ごめんね、夏希。
「約束したじゃん」
そうほほえんだ夏希。
その言葉に安心する。
そうなんだよ。昔から夏希は約束は絶対に守る子なんだよ。
昔から……