夢でもいいから あなたに会いたい
相変わらず、運が悪い。よりによって扉の前に突っ立ってるところを見られるとは……
「とりあえず入ったら?」
うん、そうだ。とりあえずお弁当箱を取り返せねば……
しずしずと大きな背中の後ろについていく。
「……」
おいおい、また大好きな無言空間を生み出そうとしてるでしょ。
そうはさせないんだから!
「日向君!お弁当箱!」
「ん、それが?」
相変わらず…
「とぼけないで!返してよね!」
「まあまあ、俺が取ったわけじゃないんだけど…はいどうぞ。夏希ちゃん」
「あ、ありがとう」
素直に渡されると思ってなかったので、拍子抜けしちゃった。
こっちだけ無駄に毛を逆立ててただけか……
な~んだ。