夢でもいいから あなたに会いたい
日向君に握られた腕が熱を持ってジンジンとする。
「待って。この前のこと話したい。本当にごめん」
すまなそうに謝ってくる日向君。でも別にこれはどっちも悪くない。
ただ、日向君が私を嫌いで、私は日向君に嫌われたくなかった。
ただ、それだけ。
「大丈夫。日向君は謝る必要ないよ。」
「でも、勘違いなんだ。俺は…」
「もう、いいの。私日向君とは一緒にいたくないから。ごめんね」
こうでもしないと、日向君は私にまた絡んでくるだろう。
私のことが嫌いなのに……
そんなの、日向君にとって、絶対によくない。
日向君の腕を振り払い、教室から出る。
扉を閉める時に一瞬見えた日向君の目は何も映していなかった。