ゆるふわな君の好きなひと
「圭佑の今回の反抗期の理由はよくわかんないけど……。もし、つーちゃんが話できるなら聞いてみて。あいつ、俺よりもつーちゃんの言うことよく聞くし」
眞部くんは、わたしが由利くんとケンカしてるなら仲直りしろって、遠回しに言ってるのかもしれない。
だけど、わたしと由利くんの関係は、眞部くんと由利くんが拗れたときのように修復できるだろうか。
中学時代の眞部くんと由利くんが仲直りできたのは、幼なじみという、ふたりの関係性が作用したのもあっただろうし……。
自信をなくしてうつむくと、眞部くんがトンッとわたしの肩を叩いた。
「ごめんね、帰り際にマジメな話しちゃって」
首を横に振って否定すると、眞部くんが困ったように笑う。
「あいつ、人に興味ないくせに、おねーちゃんにベタ甘に可愛がられてたせいか、根はすげー甘えたなの。面倒くさいけど、やっぱり大事な幼なじみだからさ。俺もほっとくつもりはないけど、つーちゃんも、嫌じゃなかったら圭佑のこと見捨てないでやって」
眞部くんの優しい言葉に、小さく頷く。
嫌じゃない。嫌なわけないし、ほっとけない。
でも、由利くんはわたしのことが嫌かもしれない。
鼻の奥がツンとして、ちょっとだけ泣きそうだった。