ゆるふわな君の好きなひと
今日の体育の授業は、校庭でハンドボール。
少し離れた場所では、男子が授業で使う高跳びのバーやマットを用意している。
眞部くんは頑張って準備を手伝っていたけど、半数以上の男子たちは準備しているバーやマットの周りで突っ立ってしゃべったり、ふざけて戯れたりしてる。
眩しい太陽の光に目を凝らしながら、由利くんを探してみたけれど、ふわふわ揺れる彼の薄茶の頭は見当たらなかった。
たぶん、サボりだ。今日は、日射しが強くて気温も高いから。
由利くんは、気温の高い日は暑がって、全然体育に出たがらない。
「つーちゃん。ペア練習、一緒に組もうよ」
ぼんやり立っていると、璃美が持っていたボールをわたしの背中にぽんっと軽く当ててきた。