ゆるふわな君の好きなひと
「ゆ、由利くん?!」
「チャンス、青葉にあげるんじゃなくて、おれがもう一回もらっていい?」
「え?」
口から心臓が出そうなのをぐっと堪えて訊ね返すと、由利くんが首を傾げながらにこっと笑いかけてきた。
「おれと付き合ってくれる?」
一度目の告白のときは、「付き合う?」ってちょっと上から目線だったくせに。
今回はお願いするみたいな言い方になっている。
でも一度目のときよりも嬉しくて、胸がギュンとした。
「うん。由利くんと、ずっと一緒にいたい」
気持ちと一緒に精いっぱいの笑顔を返したら、由利くんがわたしの背中に腕を回してぎゅーっとしがみついてきた。
「わー、わー。待って、待って」
抱きしめられると同時に少し甘い由利くんの香りに包み込まれて、パニックになる。
今まで、服を引っ張られるくらいの接触しかしてこなかったのに。こんなにくっつかれたら、完全にキャパオーバーだ。