ゆるふわな君の好きなひと
「なんか、すっごい既視感だったよ」
火照った頬に手をあててうつむくと、璃美かクスッと笑う。
「つーちゃんと由利くん、前にもこんなふうにふたりで寝てたときあったよね」
璃美が言っているのは、由利くんと初めて話したときのことだ。
あのたきも、眠ってしまった由利くんにスカートを掴まれて身動きが取れなくなっていて。
ふたりで仲良くベッドで寝ているところを璃美に見られた。
だけど、由利くんにピッタリと密着されている今の状況は、あのときよりももっと恥ずかしい。
見られたのが璃美でまだよかった。
カーテンを開けて揺り起こしてきたのが大野先生だったら、恥ずかしすぎてもう保健室に来られなくなるところだった。
頬にあてた両手で顔全体を覆うように隠すと、少し開いた指の隙間から璃美がニヤリと口角を引き上げるのが見えた。
「仲直りできたみたいでよかったね」
「……うん」
コクコクと頷いていると、由利くんがわたしの腰に巻きつけた手にぎゅーっと力を入れた。