ゆるふわな君の好きなひと


「一緒に教室戻ろう」

 青葉がちょっと怒った声で、布団のうえからおれのことをトントンと叩いてくる。

 その仕草が可愛いから、一緒に教室に戻るべきか、本当に真剣に悩む。


「由利くん、起ーきーてっ!」

 青葉を見つめてニヤニヤしながら考えていると、彼女が布団をまくりとって、今度はおれの腕を引っ張ってくる。

 もちろん、体格差で、おれの体はビクともしない。

 それなのに、一生懸命引っ張り起こそうと頑張ってる青葉が可愛いから、意地悪で引っ張り返してみた。

 体重の軽い青葉は簡単におれの上に落ちてきて、そのまま腕の中につかまる。

 まくり取られた布団を引っ張り上げると、おれは無防備にのっかってきた青葉の細い身体をぎゅーっと抱きしめた。

 ジタバタしている青葉を抱きしめたまま横向けに体勢を変えて、甘い匂いのする首筋に顔を埋める。

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