ゆるふわな君の好きなひと
「早く付き合えばいいのに」
「だから、そんなんじゃないってば……!」
咲良の言葉に、ブンブンと首を横に振る。
「そんなんでしょ。どう見たって両想いじゃん」
「どこをどう見たらそうなるの?」
「どこからどう見てもそうだよ。由利くんてモテるけど、自分から絡みにいく女子は紬だけだもん」
「璃美とも絡んでるよ」
「泉尾さんはバスケ部のマネージャーだし、眞部くんの彼女だからじゃん。紬への絡み方とはまた違うでしょ」
わたしへの絡み方は他の子と違う……?
『青葉がいい』
不意に、放課後に一緒に勉強していたときに由利くんに言われた言葉を思い出して胸が騒いだ。
「いいなぁ。テスト終わったらダブルデートじゃん」
「デートじゃなくて、打ち上げだよ」
訂正したら、咲良がどうでもよさそうに「へぇー」とつぶやいた。