ゆるふわな君の好きなひと

「続き、やらないの? 由利くんが部活に間に合わなかったら、わたしが残って課題に付き合った意味がないんだけど……」

「意味あるよ。おれは、部活出るより青葉といるほうが楽しいもん」

「え……?」

 由利くんが、にこにこしながらそんなことを言うから戸惑ってしまう。


「また適当なこと言って……」

「適当じゃないよー。全部本気」

 笑顔をふにゃっと崩した由利くんが、机にペタンと上体を預けて、わたしのことを見上げてくる。

 まるで猫が甘えてるみたい。

 眩しげに見つめてくる由利くんの表情に目を奪われる。胸がドキドキして、きゅっと縮まって、少しだけ痛かった。

 全部本気って、何が? どれが……? 

 わたしにくれた言葉は全部、由利くんの本音ってこと……?
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