ゆるふわな君の好きなひと


「何、いきなり……」

「いきなりじゃないよ。おれ、青葉のこと好きだから」

「え……?」

 真っ白になった頭の中が、今度は一気に沸騰する。

 由利くん、今、わたしのことが好きって言った……?

 真っ赤になって口をパクパクさせているわたしに、由利くんがふわっと気の抜けた笑顔をみせる。


「おれ、初めて保健室で一緒に寝たときからずっと、青葉のそばが居心地いいなーって思ってて。青葉と一緒にいるのが、晴太たちといるときと同じくらい楽しくて。なんでかなーって思ってたんだけど、その理由が、今、急にわかった」

 由利くんがなんだか嬉しそうに笑ってるけど、わたしの気持ちは全然話についていけてない。

 急にわかった、って、どういうこと……?

 由利くんは、たった今わたしのことが好きかもって自覚して、その勢いのままに「付き合う?」って提案してきたってこと……?

 適当な由利くんっぽいと言えば由利くんっぽいけど……。本気なのかな。

 由利くんに好きだと言ってもらえたことは嬉しいのに、展開が急すぎて不安だった。

 由利くんだったら、「好きだと思ったけどやっぱり違ったかもー」とか、数日後に笑いながら平気で言ってくるかもしれない。

 友達としての「好き」と勘違いしてる可能性だってある。

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