ゆるふわな君の好きなひと
君への嫉妬
由利くんの代わりに問題集を提出しに行くと、「どうして由利は自分でちゃんと持ってこないんだよ」と佐藤先生にしかめっ面された。
由利くんはバスケ部の後片付けに行ったことを話したら、「そうだとしても、次回はちゃんと自分で持って来させろ」となぜかわたしが軽く叱られた。
問題集の提出を引き受けたのはわたしだけど、親切にしただけなのに。なんだか理不尽だ。
佐藤先生に五分ほど説教されたあとに校門に行くと、由利くんはまだ来ていなかった。
由利くんのほうが先に来ていたら、開口一番に佐藤先生に理不尽に叱られたことを愚痴ろうと思っていたのに。そんな気持ちも萎えてしまう。
校門の壁に背中を預けて待っていると、部活帰りの生徒たちのグループが何組も行き過ぎていく。
その中には、同じクラスの咲良もいて。声をかけられて、バイバイと小さく手を振った。
咲良を含めて何組かの生徒たちのグループを見送ったけど、由利くんはなかなかやってこない。