幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
翌日の昼休み、私と陽ちゃんへの連名でホテルのホームページが添付されて送られてきた。いつも行くところとは違う場所になるが同じ新潟のゲレンデ。ホテルはまだ新しくて、源泉掛け流しの温泉がついているみたい。ゲレンデは目の前だしとても良さそうなところ。そのかわり載っていた金額を見て驚いてしまう。シングルでこんなにするなんて思わなかった。でもせっかく取ってくれた予約を無碍にしたくない。

【楓ちゃん、忙しいのに探してくれてありがとう。楽しみにしてるね!】

返信するとすぐに既読はついたが返信は来なかった。
その代わりに陽ちゃんからメッセージがきた。

【楓太がスノボに行くって驚いたよ。行くのはいいんだけど、ひまりはお金平気?ホテルの値段がこの前のよりだいぶ上がるみたいだけど】

【昨日楓ちゃんから連絡が来てスノボの話したら行くって言ってたの。でも相部屋はダメだって怒られちゃった。それで部屋を探してくれたみたい。お金はボーナスも残ってるし、実家暮らしだから大丈夫だよ。わざわざありがとう】

私はスマホを片付けると仕事に戻った。
楓ちゃんが探してくれたホテルだから無駄にしてはいけない。でももともとは陽ちゃんが頑張って探してくれた部屋だったから私の中で少しもやもやしたものが残った。

結局楓ちゃんが車を出してくれることになり、高速バス代が浮いたので助かった。
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