幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
町屋さんが最後のお客様だったので閉店な音楽が聞こえてきたこともあり私たちは慌てて閉店準備に取りかかった。
彼とは30分後に駅で待ち合わせすることにした。
彼は手を振りながら出口に向かっていった。

「さ、ひまりさん急がないと。メイクも直さなきゃならないし」

「え? このままでいいけど」

「何言ってるんですか? 相手への敬意を払うためにもきちんとしないと」

そんなことを言いながらなんだか楽しそうな表情を浮かべる唯ちゃん。絶対他人事だと思って楽しんでるわ。でも背中を押されなければいつまでも悩んでいたと思う。
全く知らない人なわけではないし、少しくらいこんな経験もいいのかもしれない。
私は大急ぎで片付け、由那ちゃんに言われたようにメイクを少しだけ直し色付きリップを付けた。
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