幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜

重なり合う歯車

楓ちゃんから何度か着信があったが出れなかった。
そのうち諦めたのか着信が来なくなり、メッセージが届いた。

【さっきは悪かった。もう一度話がしたい。明日俺もひまりに合わせて休みを取るから都合のいい時間に連絡をくれ】

楓ちゃんからのメッセージを見た驚いた。
わざわざ楓ちゃんを休ませるなんて出来ない。
私はメッセージを返すことにした。直接電話で話すだけの気力はない。

【わざわざ休みを取らせるわけにいかない。もういいから楓ちゃんは明日仕事に行って】

そう入れるとすぐに既読がついた。

【あんな言い方をして悪かった。ちゃんと話がしたいんだ】

【もういいから】

そう一言だけ返信するが立て続けに楓ちゃんからメッセージが届く。矢継ぎ早なメッセージに私はだんだんイライラしてきた。
私が楓ちゃんを今までどんな顔をして彼女といるのを見送ってきたか。
今度は私が男の人を連れていたっていいじゃない。町屋さんのことを何も知らないくせに危ないだなんて酷い。
もう知らない！
私はスマホの電源を落とし、クッションの上に放り投げた。

その後泣き疲れたのか私はそのまま布団にくるまりながら眠りについてしまった。