幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
ロビーを出て庭園を歩くと離れの部屋に着いた。
仲居さんは荷物を置き、説明だけするとすぐに出て行ってしまった。
私は部屋の中を散策するとベッドルームと畳の部屋と分かれていて外には部屋付きの露天風呂が見えた。
「すごい!」
窓から出ると岩に囲まれた露天風呂とその横には休憩できる小さな東屋が建っていた。
「楓ちゃん、こんなところに泊まったことないよ。テレビでしか見たことないもん。凄い」
私は興奮して楓ちゃんに話すと頬を緩め笑ってくれた。
「ひまりに喜んで欲しくて選んだんだ。期待通り喜んでもらえて良かったよ。疲れただろ。お風呂に入ってくるといい」
「え?」
確かにお風呂はここにある。
でも部屋から丸見えじゃない。
私は急に現実に引き戻され、緊張し始めた。
でもそんな様子を見てまた笑い始める楓ちゃんは分かっていたようで「障子を閉めたら見えないよ」と言われた。
私はドキドキしてしまった。
改めてここでふたりで泊まると思うと固まってしまった。
「ふ、楓ちゃんが先に入っていいよ」
私はそう言うと目を合わせられずに部屋に戻った。
すると交代で立ち上がるとお風呂に入りに行った。
私が慌てて障子を閉めに行くと「見ててもいいけど」と笑いながら言われてしまった。
「バカ」
そう言うと勢いよく障子を閉めた。
私はバッグを開け荷物を取り出し片付け始めた。
するとスマホにメッセージが届いていることに気がついた。
確認すると町屋さんからだった。
あの後何度かメッセージのやり取りをしていた。
私にとって彼は友人として話も合うし、楽しいしまるで陽ちゃんみたいな人だと思っていた。
【元気? またご飯を食べに行かないか?】
【ご無沙汰してます。今度は他の人も一緒に行ってもいいですか? 紹介したい人がいるんです】
私は楓ちゃんのことを紹介しようと思った。
きっと町屋さんも楓ちゃんと仲良くなれるはず、そう思った。
【紹介? どんな人なの?】
【この前駅で会った人です。幼馴染なんです】
町屋さんは立て続けにメッセージを送ってくる。私も合わせてどんどんと返信をするがテンポが速い。集中しすぎて楓ちゃんがお風呂から出てきたことに気が付かなかった。
「ひまり? 何してるの?」
「あ、ごめん。メッセージが来てたから返信してたの」
「誰から?」
「町屋さん」
「え?」
楓ちゃんは私の手からスマホを取り上げ、電源ボタンを押した。
スマホはホーム画面に切り替わった。
「どうして彼からメッセージがきてるんだ?」
楓ちゃんはどこかイライラしているみたいでさっきまでの笑顔が消えていた。
「だって、友達だから」
「ひまり! 彼は友達なんて思っていない。ひまりと付き合いたいと思ってるから連絡してくるんだ」
「そんなことないよ。陽ちゃんみたいに話が合うし、楽しい友人のひとりだよ」
はぁ……
楓ちゃんから大きなため息がこぼれ落ちた。
「ひまりは彼に俺と付き合ってると言ったか?」
「え? 楓ちゃんのことを紹介したいって言ったよ」
「そうじゃない。俺と付き合ってると言ったのか?」
「どうだったかな? でも今さっき楓ちゃんを紹介したいって伝えたよ」
スマホはまたメッセージを受信した音を鳴らしている。
「ひまりは彼に俺との付き合いをいいたくないの? 彼をキープしてるのか?」
「どういう意味?」
私は楓ちゃんの話し方にイラッとした。
「そのままの意味だよ。俺はひまりを離さない。俺が幸せにしたいって伝えた。それなのにひまりはまだ彼と連絡をとっているなんてガッカリだ」
楓ちゃんはそう言うと私にスマホを手渡すと玄関の方は出て行ってしまった。
仲居さんは荷物を置き、説明だけするとすぐに出て行ってしまった。
私は部屋の中を散策するとベッドルームと畳の部屋と分かれていて外には部屋付きの露天風呂が見えた。
「すごい!」
窓から出ると岩に囲まれた露天風呂とその横には休憩できる小さな東屋が建っていた。
「楓ちゃん、こんなところに泊まったことないよ。テレビでしか見たことないもん。凄い」
私は興奮して楓ちゃんに話すと頬を緩め笑ってくれた。
「ひまりに喜んで欲しくて選んだんだ。期待通り喜んでもらえて良かったよ。疲れただろ。お風呂に入ってくるといい」
「え?」
確かにお風呂はここにある。
でも部屋から丸見えじゃない。
私は急に現実に引き戻され、緊張し始めた。
でもそんな様子を見てまた笑い始める楓ちゃんは分かっていたようで「障子を閉めたら見えないよ」と言われた。
私はドキドキしてしまった。
改めてここでふたりで泊まると思うと固まってしまった。
「ふ、楓ちゃんが先に入っていいよ」
私はそう言うと目を合わせられずに部屋に戻った。
すると交代で立ち上がるとお風呂に入りに行った。
私が慌てて障子を閉めに行くと「見ててもいいけど」と笑いながら言われてしまった。
「バカ」
そう言うと勢いよく障子を閉めた。
私はバッグを開け荷物を取り出し片付け始めた。
するとスマホにメッセージが届いていることに気がついた。
確認すると町屋さんからだった。
あの後何度かメッセージのやり取りをしていた。
私にとって彼は友人として話も合うし、楽しいしまるで陽ちゃんみたいな人だと思っていた。
【元気? またご飯を食べに行かないか?】
【ご無沙汰してます。今度は他の人も一緒に行ってもいいですか? 紹介したい人がいるんです】
私は楓ちゃんのことを紹介しようと思った。
きっと町屋さんも楓ちゃんと仲良くなれるはず、そう思った。
【紹介? どんな人なの?】
【この前駅で会った人です。幼馴染なんです】
町屋さんは立て続けにメッセージを送ってくる。私も合わせてどんどんと返信をするがテンポが速い。集中しすぎて楓ちゃんがお風呂から出てきたことに気が付かなかった。
「ひまり? 何してるの?」
「あ、ごめん。メッセージが来てたから返信してたの」
「誰から?」
「町屋さん」
「え?」
楓ちゃんは私の手からスマホを取り上げ、電源ボタンを押した。
スマホはホーム画面に切り替わった。
「どうして彼からメッセージがきてるんだ?」
楓ちゃんはどこかイライラしているみたいでさっきまでの笑顔が消えていた。
「だって、友達だから」
「ひまり! 彼は友達なんて思っていない。ひまりと付き合いたいと思ってるから連絡してくるんだ」
「そんなことないよ。陽ちゃんみたいに話が合うし、楽しい友人のひとりだよ」
はぁ……
楓ちゃんから大きなため息がこぼれ落ちた。
「ひまりは彼に俺と付き合ってると言ったか?」
「え? 楓ちゃんのことを紹介したいって言ったよ」
「そうじゃない。俺と付き合ってると言ったのか?」
「どうだったかな? でも今さっき楓ちゃんを紹介したいって伝えたよ」
スマホはまたメッセージを受信した音を鳴らしている。
「ひまりは彼に俺との付き合いをいいたくないの? 彼をキープしてるのか?」
「どういう意味?」
私は楓ちゃんの話し方にイラッとした。
「そのままの意味だよ。俺はひまりを離さない。俺が幸せにしたいって伝えた。それなのにひまりはまだ彼と連絡をとっているなんてガッカリだ」
楓ちゃんはそう言うと私にスマホを手渡すと玄関の方は出て行ってしまった。