幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
翌朝体に乗る重たいものが何かわからず目を開けると隣には楓ちゃんの顔があり、何もつけていない体には彼の手が巻き付いていた。

何が起こったのか思い出すと顔が火照ってくるのを感じた。
本当に甘い夜だった。
こんな世界があるなんて知らなかった。
私は大きな声で叫びたいような衝動に駆られた。
自分が自分でないような、自分の感情をら持て余してしまう。
目の前にある楓ちゃんの顔を見ると現実だって分かってる。でもまだ信じられない自分もいた。

私がもぞもぞと動き出したことに気がついたのか楓ちゃんも動き始めた。
どうしたらいいのかわからず私は眠っているふりをした。

「ひまり、おはよう。起きてるんだろ?」

楓ちゃんは私の髪の毛をすきながら声をかけてきた。

私は薄めを開けると満面の笑顔が目の前にあった。
私のことをぎゅっと抱きしめてくると楓ちゃんの素肌を感じた。
服をまとわずお互い裸のままでシーツに入っているなんて想像しただけで恥ずかしい。
私は中に潜り込んだ。
すると楓ちゃんも潜り込んできてすかさず唇を重ねてきた。
そのまま首筋や胸、お腹、足と全てにキスが落とされ私のお腹の奥がキュッとなった。
昨日の出来事が蘇ってきた。
現実なのだと呼び戻された。

楓ちゃんはそのまままた私のことを求めてきた。
肌と肌が密着していると安心する。
私は何度もぎゅっとしがみついた。
その度に抱きしめ返してくれる楓ちゃんと離れられずにいた。
私の肌にはいくつもの花が咲くほどに愛されてしまった。
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