幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
「ひまり、仕事はどうだ?」
寿司屋のカウンターに私を挟んでいつもと同じように座る2人は、代わるがわる話しかけてくる。
社会人になったのに未だに心配しかされない私は本当に妹のよう。
「仕事は忙しいよ。今は繁忙期だからね。というわけで私からこれどうぞ」
私は自分のデパートで売っているイチオシのチョコをカバンから取り出すとふたりに手渡した。
「ひまり、ありがとな」
楓ちゃんはまた頭を撫でてくれた。
陽ちゃんは相変わらずの明るさでチョコを褒めてくれる。
「ひまりの選ぶチョコは甘さも控えめだし、コーヒーに合うから本当に嬉しいよ。ひまりが選んでくれたかと思うと更にうれしいよ」
そういうと手を握ってきた。
「陽ちゃん、お返し待ってるね」
「もちろんだよ。可愛いひまりがくれたチョコだからお返しもとっておきのものにするからな」
「ちょっと!陽ちゃん。冗談だからね。お返しは気にしないで。このチョコも社割で買ってるし」
私は慌てて陽ちゃんを止めたが聞いていなさそう。
陽ちゃんは私を可愛がるあまり、大量のプレゼントを贈ってくれるからいくらなんでも申し訳なく感じてしまう。
「ひまりは特別だからな。そういえばこの前ひまりに似合いそうだからセーターとスカート買っておいたんだった。忘れてたよ。この後取りに来る?」
「また買ってくれたの?」
本当に陽ちゃんは甘い。
「明日休みだから遅くなっても大丈夫だし、取りに行こうかな」
「そのまま泊まってくか? 夜遅いのは危ないだろ」
2月が近づき需要が最高潮になっているためかなり忙しいが明日は久しぶりの休み。
陽ちゃんも心配症なのは楓ちゃんと変わらない。
私も社会人だから仕事で遅くなることもたくさんある。だからそんなに心配しなくてもいいのにと思うが2人にとって、私はいつまで経っても小さい妹のまま。
泊まらなくて大丈夫だよ、と言おうとしたその時、楓ちゃんが口を挟んできた。
「おい、泊まらなくてもいいだろ。俺がタクシーで回ってやるよ」
「楓ちゃん、タクシーなんて勿体無いから大丈夫だよ」
気軽に乗ったことのないタクシーで送るといえる楓ちゃんに驚いた。
「そうだよな、ひまりは明日ゆっくり帰ればいいよ。着替えもあげるセーターとスカート履けばいいし、パジャマも貸してやるよ」
「それはダメだろ。俺がタクシーで送るから」
私は泊まるつもりはなく、電車で帰宅できると言いたいのに2人は双子ならではの掛け合いで私が話に入る隙がない。
私を間に挟み、頭上では話がどんどん白熱してしまうため私は2人の間に手を入れ、ストップをかけた。
「ちょっと、2人とも私の話を聞いて。私はもう大人だから1人で帰れます。陽ちゃんの家に寄って洋服をありがたく頂いて、その後電車で帰ります」
「なら俺とタクシーに乗ればいい」
「タクシーだなんて贅沢だよ。私には電車で十分。時間もまだそんなに遅くないじゃない。8時だから陽ちゃんちに寄ってもまだ9時くらいでしょ? 大丈夫だよ」
「明日休みなら泊まっていけばいいのに。まだ話し足りないし」
またそう言う陽ちゃんの顔を楓ちゃんは睨んでいた。
2人は仲がいいのか悪いのか、前から時々こうしてぶつかり合う。
「じゃ、遅くなる前に陽太の家に行こう。俺も電車に乗る」
楓ちゃんはお会計を頼むために板前さんに合図を送る。
伝票を持ってきた店員に楓ちゃんは3万のせるとその伝票を陽ちゃんに渡した。陽ちゃんも2万のせると店員に戻した。
3人で5万。すごく大人になった気分になるが私だけなら決して来れない。
2人のおかげでこんなに美味しい食事をさせてもらっている。
だから空気の悪いまま終わらせたくない。
寿司屋のカウンターに私を挟んでいつもと同じように座る2人は、代わるがわる話しかけてくる。
社会人になったのに未だに心配しかされない私は本当に妹のよう。
「仕事は忙しいよ。今は繁忙期だからね。というわけで私からこれどうぞ」
私は自分のデパートで売っているイチオシのチョコをカバンから取り出すとふたりに手渡した。
「ひまり、ありがとな」
楓ちゃんはまた頭を撫でてくれた。
陽ちゃんは相変わらずの明るさでチョコを褒めてくれる。
「ひまりの選ぶチョコは甘さも控えめだし、コーヒーに合うから本当に嬉しいよ。ひまりが選んでくれたかと思うと更にうれしいよ」
そういうと手を握ってきた。
「陽ちゃん、お返し待ってるね」
「もちろんだよ。可愛いひまりがくれたチョコだからお返しもとっておきのものにするからな」
「ちょっと!陽ちゃん。冗談だからね。お返しは気にしないで。このチョコも社割で買ってるし」
私は慌てて陽ちゃんを止めたが聞いていなさそう。
陽ちゃんは私を可愛がるあまり、大量のプレゼントを贈ってくれるからいくらなんでも申し訳なく感じてしまう。
「ひまりは特別だからな。そういえばこの前ひまりに似合いそうだからセーターとスカート買っておいたんだった。忘れてたよ。この後取りに来る?」
「また買ってくれたの?」
本当に陽ちゃんは甘い。
「明日休みだから遅くなっても大丈夫だし、取りに行こうかな」
「そのまま泊まってくか? 夜遅いのは危ないだろ」
2月が近づき需要が最高潮になっているためかなり忙しいが明日は久しぶりの休み。
陽ちゃんも心配症なのは楓ちゃんと変わらない。
私も社会人だから仕事で遅くなることもたくさんある。だからそんなに心配しなくてもいいのにと思うが2人にとって、私はいつまで経っても小さい妹のまま。
泊まらなくて大丈夫だよ、と言おうとしたその時、楓ちゃんが口を挟んできた。
「おい、泊まらなくてもいいだろ。俺がタクシーで回ってやるよ」
「楓ちゃん、タクシーなんて勿体無いから大丈夫だよ」
気軽に乗ったことのないタクシーで送るといえる楓ちゃんに驚いた。
「そうだよな、ひまりは明日ゆっくり帰ればいいよ。着替えもあげるセーターとスカート履けばいいし、パジャマも貸してやるよ」
「それはダメだろ。俺がタクシーで送るから」
私は泊まるつもりはなく、電車で帰宅できると言いたいのに2人は双子ならではの掛け合いで私が話に入る隙がない。
私を間に挟み、頭上では話がどんどん白熱してしまうため私は2人の間に手を入れ、ストップをかけた。
「ちょっと、2人とも私の話を聞いて。私はもう大人だから1人で帰れます。陽ちゃんの家に寄って洋服をありがたく頂いて、その後電車で帰ります」
「なら俺とタクシーに乗ればいい」
「タクシーだなんて贅沢だよ。私には電車で十分。時間もまだそんなに遅くないじゃない。8時だから陽ちゃんちに寄ってもまだ9時くらいでしょ? 大丈夫だよ」
「明日休みなら泊まっていけばいいのに。まだ話し足りないし」
またそう言う陽ちゃんの顔を楓ちゃんは睨んでいた。
2人は仲がいいのか悪いのか、前から時々こうしてぶつかり合う。
「じゃ、遅くなる前に陽太の家に行こう。俺も電車に乗る」
楓ちゃんはお会計を頼むために板前さんに合図を送る。
伝票を持ってきた店員に楓ちゃんは3万のせるとその伝票を陽ちゃんに渡した。陽ちゃんも2万のせると店員に戻した。
3人で5万。すごく大人になった気分になるが私だけなら決して来れない。
2人のおかげでこんなに美味しい食事をさせてもらっている。
だから空気の悪いまま終わらせたくない。