幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
「え? あ、うん。久しぶりの土曜休み。デパートで働くと土日とか関係なくなるけど久しぶりに休みなんだよね」

「明日映画でも行かないか? 俺も久しぶりに休みなんだ」

「本当? 行きたい。映画なんて久しぶりだな。実はアクションものの続編を見たかったの。でもみんな観たいっていわないんだよね」

私は恋愛映画よりもアクション映画の方が意外と好き。ハラハラドキドキするサスペンスも好きと一般女子とは少し違うみたいで誘いにくく1人で行くのもなんとなく行きにくいため結局配信サービスが始まってから1人で観ることが多かった。

「だろうな、と思ってた。あのシリーズの続編が出たからひまりが観たいんじゃないかと思ってさ。俺もあの作品好きなんだよな。ちょうど明日休みなら行こう」

「やった!」

私は小さくガッツポーズを作った。
そんな私の姿をクスッと笑い、頭をぽんぽんとした。

楓ちゃんは私の家の目の前まで送ってくれた。隣が楓ちゃんの実家なのに立ち寄らず、自分のマンションへ戻るため駅へと戻って行ってしまった。
最後まで荷物をもたせたままで、本当に陽ちゃんも楓ちゃんも優しいな。
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