復活の村
☆☆☆

その後、なんだかんだと家族の団らんがあり、結局ユウジくんと2人で話をする時間がなくなってしまった。

死んだ娘が戻ってきたのだから、それも仕方のないことかもしれない。


父親も母親も何度もヒトミの頬をなで、頭をなで、その存在を確認した。


その度にヒトミは顔を赤くして「もう、なぁに?」と、頬を膨らませた。


本人はなにもわかっていないから、ただ子供扱いされているように感じたみたいだ。


昨日の夜は朝まで眠れなかったこともあり、僕は少しお酒を飲んだだけでその場で倒れるように眠りこけてしまった。


ぐっすりも眠って目をさますと、また朝食のいい香りが漂ってきていた。


ヒトミがかけてくれたのだろうか、タオルケットを丁寧に畳んで部屋の隅に置く。


テーブルに並んでいた晩御飯の食器などもキレイに片付けられている。
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