復活の村
それにしては窓から差し込む光が暗いな。


そう思って窓の外を確認してみると、空にはまだ星がまたたいでいるじゃないか。


僕が寝ぼけているんだろうかと目をこすってみたけれど、星空は変わらずそこにある。


キッチンからはトントンと包丁でなにかを切っている音が続いていて、味噌汁の匂いもし始めた。


こんな時間に料理?


朝は慌ただしく忙しいから、夜中の間に作ることにしたんだろうか?


いや、だとしたら作っている人はいつ寝るんだ?


どう考えてもやっぱりおかしくて僕はそっと部屋を出た。


キッチンへと続く廊下を歩いているとユウジくんと父親、母親と合流をした。


ということは、今キッチンで料理をしているのはヒトミか祖母ということになる。


祖母がこんな時間にキッチンに立つというところは想像ができなくて、僕とユウジくんは目を見合わせた。
< 108 / 197 >

この作品をシェア

pagetop