復活の村
「やめよろ!!」


怒鳴るとヒトミは一瞬ビクリと体を震わせて、怯えた視線をこちらへ向けた。


その評定にチクリと胸が痛むが、ここでひるんではいられない。


「一体どうしたっていうんだよ。こんな変なことして」


「変ってどうして?」


ヒトミの目には涙が浮かんでいる。


まさか、本当に自分がしていることがおかしいと認識していないのか?


虫入りの料理を本気で作っていたっていうのか?


怒られている理由が理解できないのか、ヒトミはグズグズと鼻をすすりあげ、まるで子供のように泣き出した。


最後には「うえぇん」と声まで上げ始めてしまい、見かねた母親がヒトミの肩を抱いて部屋へと戻っていったのだった。
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