復活の村
☆☆☆

結局僕たちの話し合いは朝までかかってもなにも産まなかった。


100年に1度の祭りのことだから、明確に断言できることなんてなにもない。


ただただ時間が過ぎて、母親がまともな料理に取り掛かった。


だけどそれを食べる気分にはなれなかった。


途中で起き出してきたヒトミは夜中の出来事なんてすっかり忘れてしまった様子で、1人だけご飯をおかわりしていた。


そんなヒトミを見ていても変なところはなにもない。


夜中の出来事は本当は夢だったのではないかと思えてくるほどだ。


だけどあれは現実だ。


新しくなったまな板が、それを物語っていた。


「ねぇケイタ、これから散歩に行かない?」


洗濯物を終えたヒトミがそう声をかけてきた。
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