復活の村
虫入りの料理を作っただなんてとても言えないので、僕は左右に首をふって黙り込んだ。


「ねぇ、どうして黙るの?」


「いや、なんでもないんだ。本当に」


苦しい言い訳をしながらまた歩き出す。


ヒトミは納得していない様子だったけれど、すぐに機嫌を直して鼻歌まじりに歩き出す。


こうして見ているとヒトミに変わったところは見られない。


僕がよく知っているヒトミで間違いないようだ。


宛もなく歩いていると、あの森の付近までやってきていた。


ここから先へは行きたくないな。


そう思って方向転換しようとしたが、ヒトミが腕を掴んで引き止めた。


「池を見に行こうよ」


「今日はやめておこう」


僕はヒトミをもと来た道へと誘導する。
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