復活の村
すぐには動けないことを悟り、僕はヒトミの胸に自分の耳を押し付けた。


トクンットクンッと微かな心音が聞こえてくる。


「まだ生きてる! すぐに車を準備してください!」


両親へ向けてそう怒鳴った時、脱衣所に祖母が入ってきた。


祖母はヒトミの姿を見下ろして悲痛な表情を浮かべる。


「病院へは行かなくていい」


その言葉に僕は目を見開いた。


今、なんて言った?


「なんでだよ、こんなことになってるのに!」


ユウジくんが叫ぶ。


祖母はそんなユウジくんを睨みつけた。


「手当はワシがやる。部屋に移動してくれ」


祖母は静かな声でそう言ったのだった。
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