復活の村
☆☆☆

ヒトミと2人きりになった祖母は布団の横に座り込んだ。


そして孫の変わり果てた姿に目尻に涙を浮かべる。


「申し訳ないことをした。ユウジらがあんなにバカだとは思わなかった。ちゃんと行くべきところに行かせてやるからな」


祖母はヒトミに自分の着物を着せると、その体をおんぶして縁側へ続くふすまを開けた。


ヒトミの体は重たくて、足がガクガクと震えた。


それでも行かなければならない。


復活してはいけない人間が復活してしまったのだ。


この落とし前はつけなければならない。


両足を踏ん張り、奥歯を噛み締めて一歩一歩足を前へすすめる。
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