復活の村
それでもわかってくれていなかったのだ。


実際に祭りを体験したことがないのだから、それも仕方ないことかもしれない。


それもこれも、自分の責任だ。


それぞれの家の長がちゃんと言い伝えなければならないことが、自分にはできていなかったのだから。


ジャリッジャリッと地面を踏みしめてようやく広い庭を出る。


立ち止まることもなく、少し休憩することもなく、祖母はヒトミの体をおぶって歩く。


その歩みはとても遅くかったが、確実に前に進んでいく。


そして神社が見えてきた時だった。


不意に背中の感触が変わった。


ヒトミの意識が戻り、祖母の肩に両手を乗せたのだ。


「ひ、ヒトミ?」
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