復活の村
そんな悲鳴が家の中にまで聞こえたようで、ユウジくんと父親がかけつけた。


そして口元を血だらけにしたヒトミの姿に後ずさりをする。


ユウジくんの顔がみるみる青ざめていくのがわかった。


「血?」


ヒトミはまだキョトンとして、右手で自分の口元を拭っている。


一体なんの血だ……?


朝からいなくなっている祖母と言い、不吉な予感が胸をよぎる。


と、そのときだった。


玄関を激しく叩く音がきこえてきて僕は驚いてその場で飛び上がってしまった。


父親がヒトミを連れてリビングへと姿を消す。


その後母親が何度か深呼吸をしてから、玄関を開けた。
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