復活の村
そこに立っていたのは村の男性だった。


40代くらいで、祭りの屋台でフランクフルトを焼いていた人だと思い出した。


その人は血相をかえて玄関に入ってくると「どうしたんですか?」という母親からの質問を待つ前に口を開いていた。


「トミさんが死んだ。道端で、首を食いちぎられて倒れているのを見つけたんだ」


トミさんというのが祖母の名前だと理解するまで少し時間がかかった。


母親が声にならない悲鳴を上げてその場にずるずると座り込んでしまったことで、それが理解できたのだ。


僕は咄嗟に手を伸ばして母親の体を支える。


「そんな、お義母さんが、どうして」
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