復活の村
☆☆☆

祖母の葬儀は滞りなく終わった。


もう今年の祭りは終わっているし、祖母が蘇ることは二度とない。


それでもこの村の風習で土葬という形を取られて、僕は初めてそれを見た。


深い深い穴が掘られ、棺桶がゆっくりと下がっていく。


その上に大量の土が乗せられて、ようやく祖母の姿は見えなくなった。


墓があるあの丘の上から家に戻ってきたとき、僕は全身の疲れを感じて頭の中は真っ白だった。


この村に来て2度も葬儀に立ち会うことになるなんて、思ってもいなかった。


すぐに客間に戻って横になろうと思ったのだが「なにか知っているんじゃないの
か?」という父親の声が聞こえてきて、足を止めた。


ふすまを開けて部屋の中を確認してみると、帰ってきたばかりだというのにユウジくんが座らされていた。


その前には父親と母親が真剣な表情で座っている。
< 148 / 197 >

この作品をシェア

pagetop