復活の村
☆☆☆

その後、どうにかショック状態が収まった母親も一緒に墓地へ向かった。


祖母の墓は確かに掘り返されていて、棺桶の中は空になっていた。


悲惨な状態の墓地を見ても、ヒトミは1人鼻歌を歌っていた。


「星がキレイね」


とうっとりした表情で言い、僕の手を握りしめる。


その仕草は蘇る前のヒトミそのもので、胸が締め付けられる気持ちになった。


こんな化け物のようになってしまっても、蘇る前のヒトミと同じだと感じられる部分がある。


僕たちは無言で空っぽになった棺桶を土の中に戻し、何事もなかったかのように埋めた。


祖母の体はすべて残飯として捨てて、なかったことにしたのだ。


だって、それ以外にどうすればよかったんだろう?


ヒトミが祖母を食い殺し、更には料理にして家族に食べさせた。
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