復活の村
☆☆☆

神社の裏手に回るとそこには大きな駐車場があり、その隅に止まっていた普通自動車に3人は乗り込んだ。


神主さんの少し乱暴な運転で家へと急ぐ。


「前にも同じことがあったんですか?」


助手席から話を投げかけると神主さんは重々しく頷いた。


「今から何百年も前のことになる。今回と同じようなことが起こったんだ。選ばれていない人間が蘇り、その人はどう見ても狂っていた。今のヒトミちゃんと同じ状態だ」


過去にそうして蘇った人は虫や人を喰らい、命を奪うことをなんとも思っていなかった。


時折生前を思い出したかのように振る舞うけれど、それも徐々に減っていく。


そして最終的にはこの村の半数の人間が、その人に殺されてしまったというのだ。


その時の犯人の顔はまるで鬼そのものになっていて、とても人間には見えなかったという言い伝えが残されている。
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