復活の村
「そんな。それじゃヒトミも?」


「大量殺人を犯す可能性はある」


神主さんがギュッとハンドルを握り直す。


その手のひらは緊張の汗でテラテラと光っていた。


「でも、ヒトミはそんなことをする子じゃ……」


そこまで言って口を閉じた。


実際にヒトミはすでに祖母を殺していた。


しかも首に噛み付いて肉を引きちぎったのだ。


千切られた肉はどうした?


ヒトミが食べてしまったのか?


そうなのかもしれない。


それをうまいと感じたから、墓を掘り起こして僕たちに料理して出したのだ。


「人肉が美味しいと感じたら、人を殺すことも厭わなくなる」


神主さんが僕の考えを読み取ったかのように呟いたのだった。
< 169 / 197 >

この作品をシェア

pagetop