復活の村
僕はちゃんと受け答えができているだろうかと不安だったけれど、そこまでの緊張も徐々に和らいできた。


「ケイタくんが飲める人で良かったよ」


僕の歓迎会のようなものが始まって1時間が経過した頃には、ヒトミの父親はすっかり上機嫌になっていた。


お酒が進んで頬も赤い。


「本当よね。うちは誰もお酒を飲まないからお父さん寂しかったんだものね」


母親が父親のグラスにビールをつぐと、今度は父親が僕のグラスにビールをついでくれた。


「ちょっとお父さん、来たばかりで疲れてるんだから、あまり飲ませないでよ」


隣のヒトミはいつも以上に飲んでいる僕を心配してくれているようだ。


でも僕はお酒が強いほうだから、まだ心配はいらなかった。


旅の疲れも今は心地よく体を支配している。
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