復活の村
☆☆☆

田舎道を全速力で車を走らせて家に到着すると、僕は転げ落ちるように車から降りて走りだした。


広い庭を駆け抜けている間にも嫌な予感は胸の中で膨らんでいく。


どうかヒトミが静かにしていますように。


昔の面影を残していますように。


心から願いながら勢いよく玄関を開けた。


と、同時に家の中から血の匂いが溢れ出してきて僕は足を止めていた。


早く家に入って事態を把握しないといけないのに、足が動いてくれない。


棒立ちになっている間に後ろから神主さんとユウジくんが追いついてきた。


神主さんは血の匂いに顔をしかめると、僕の体を押しのけて靴のまま室内へと入っていく。


僕はユウジくんに背中を押されてようやっと足が動き出した。


神主さんの後をおいかけてキッチンへ入る。

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