復活の村
怯えている暇はないと一歩踏み出したとき、神主さんのほうがより早く動いていた。


ヒトミの背後に周り、その体を羽交い締めにしたのだ。


ヒトミが「ギャアアア!」と人間離れした悲鳴を上げて暴れる。


その拍子に包丁を取り落した。


僕は咄嗟にその包丁を掴み、ヒトミに切っ先を向けた。


「刺せ! こいつはもうヒトミちゃんじゃない! 殺せ!」


神主さんの叫び声。


嫌がるヒトミがわめき散らしながら地団駄を踏む。


「ヒ、ヒトミ」


包丁を両手で握りしめてヒトミを見つめる。


ヒトミは一瞬我に返ったような様子で僕を見つめた。


以前と変わらないキラキラと輝く目で僕を見つめて、頬を緩める。
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