復活の村
「ヒトミ! 僕だよ。ケイタだ」


「ケイタ……」


「そうだよ、ケイタだ!」


ヒトミがまばたきをして部屋の中を確認する。


そして何度も首をかしげた。


自分がしたことがわかっていないのか、この惨状がどういう状況なのか理解していないのか、しきりに不思議そうな顔をする。


「今の家に殺せ!!」


神主さんが叫ぶ。


「でも……っ」


ただの殺人鬼なら迷うこともなく刺殺していた。


だけど今のヒトミは違う。


前と同じように人生の希望に満ちているヒトミで間違いがない。
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