復活の村
どれも食べ慣れた料理だけれど、この家の料理は特別美味しく感じられた。


「これはおばあちゃんがつけた漬物なのよ」


小鉢に出されたたくあんの漬物はしっかりと味がついていて白米が進んだ。


祖母はシワシワの顔を更にシワシワにして微笑み「市販のじゃ味が薄くてね」と言った。


この年令で濃い味付けのものが好きだなんて、味覚が若いものだ。


「朝ごはんを食べたら、ケイタに村を案内してくるね」


「あぁ、そりゃあいいねぇ。なにもない村だけど、自然だけはあるからねぇ」


祖母がうんうんと相槌を打つ。


両親ともそうすればいいと頷いてくれた。
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