復活の村
僕は朝食のお礼にユウジくんと2人で洗い物をした。


水道から流れ出る水は近くの小川のものらしくて、ヒヤリと冷たいそれが手に心地いい。


ここは湿度さえどうにかなれば暮らしやすい場所なのかもしれない。


洗い物が終わる頃にはそんなふうに考えられるようになっていた。


最初はなにもない場所では不便だと思っていたけれど、結局昨日ここへ到着してから1度もスマホを開いていないのだ。


肌見放さず持っていたものが使えなくてもなにも不便ではない。


ここは、そんな村なのかもしれない。
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