復活の村
さっきまでほとんど村人の姿はなかったはずだ。


疑問に感じていると「お祭りの準備が始まったの」と、ヒトミが言った。


「そうなんだ。2日後だっけ?」


「うん。なにせ100年に1度のお祭りだから、みんな張り切ってるのよ」


「でも、そんなに期間が開くのはどうしてなんだろう?」


祭りといえば毎年同じ時期に行われるものがほとんどだ。


事情があって開催できないということもあるだろうけれど、100年に1度なんて頻度じゃみんな忘れてしまう。


実際に、前回の祭りを覚えている人はすでに生きていないだろう。


「それくらいの頻度でしかしてはいけないお祭りだからなの」


再び歩きだしてヒトミは言う。


「してはいけないお祭り?」
< 26 / 197 >

この作品をシェア

pagetop