復活の村
ちなにみ、選ばれるのは祭りのある年に死んだ人に限る。


ヒトミはそう説明を付け加えた。


「なるほどね。それで、選ばれた家の人はどうするの?」


「赤い花を置かれた家の人は、花を持って神社へ行くの。そこでお守りをもらう。その後、死んだ人を墓地から掘り起こしてお守りを握らせる。そして森の中にある湖に死んだ人の体をうかべるの。そうすればその人は蘇る」


「湖?」


ヒトミは頷く。


「その湖は復活の湖と呼ばれているの。特別な力を持つ水が蓄えられているんだって」


なるほど。


さっきの小川の水といい、この村では水を大切にしてきているみたいだ。


農作物を作るためにも、人が生きていくためにも必要なもの。
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