復活の村
「ここまで持ってくれたら後はもう大丈夫よ」


「え、でも、これから干すんですよね?」


「洗濯物を干すのにもコツがいるの。ケイタくんは結婚してしっかりできるようになってから手伝ってもらうから」


そう言われて自分の頬が赤くなるのを感じた。


「わかりました」


僕が手伝ってシワだらけのシャツができあがっても大変なので、ここは潔く引き下がることにした。


そのまま家の中へ戻ると、ヒトミが駆け寄ってきた。


「いたいた! お母さんの手伝いをしてくれていたの?」


「洗濯物を外に運んだだけだよ」


「ありがとうね」


ヒトミは嬉しそうに微笑んでいる。
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